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特集 内視鏡下鼻副鼻腔手術—エキスパートに学ぶスタンダードな手術手技(特別付録web動画)
手術支援機器の選択と使い方
著者: 中丸裕爾1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
ページ範囲:P.710 - P.714
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●手術支援機器は手術時間短縮や内視鏡手術の適応疾患拡大に大きな役割を果たしているが,手術支援機器の登場にもかかわらず,重篤な合併症は減少していない。
●マイクロデブリッダーは吸引と切除ができる器具で,ポリープや病的粘膜切除に便利な器具である。しかし,眼窩内組織,硬膜なども迅速に切除されるため,使用法には十分な注意が必要である。
●ブレードの先を直視しながら切除する,ブレードの先端で切除する,できるだけブレードを回転させる時間を少なくする,などの基本事項を遵守する。
●近年,ドリルも回転数の高い機種が開発され手術時間の短縮に寄与しているが,その分,間違った部位を削ると合併症も重大化する。
●削開している部位を視野に入れながら操作できるよう内視鏡とドリルの位置を調節すること,バーの赤道付近で削開すること,可能な限り弱い力でバーを骨に当てることなどが注意点である。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年8月)。
●手術支援機器は手術時間短縮や内視鏡手術の適応疾患拡大に大きな役割を果たしているが,手術支援機器の登場にもかかわらず,重篤な合併症は減少していない。
●マイクロデブリッダーは吸引と切除ができる器具で,ポリープや病的粘膜切除に便利な器具である。しかし,眼窩内組織,硬膜なども迅速に切除されるため,使用法には十分な注意が必要である。
●ブレードの先を直視しながら切除する,ブレードの先端で切除する,できるだけブレードを回転させる時間を少なくする,などの基本事項を遵守する。
●近年,ドリルも回転数の高い機種が開発され手術時間の短縮に寄与しているが,その分,間違った部位を削ると合併症も重大化する。
●削開している部位を視野に入れながら操作できるよう内視鏡とドリルの位置を調節すること,バーの赤道付近で削開すること,可能な限り弱い力でバーを骨に当てることなどが注意点である。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年8月)。
参考文献
1)鴻 信義:内視鏡下鼻副鼻腔手術におけるマイクロデブリッダーの適切な使い方.日耳鼻118:1466-1469,2015
2)Wormald PJ:Endoscopic sinus surgery. Anatomy, three-dimensional reconstruction, and surgical technique. Thieme, New York, 2007, pp1-5
3)中川隆之:基本操作(手術機器の基本的使用方法).内視鏡下鼻副鼻腔・頭蓋底手術—CT読影と基本手技,伊藤壽一(監),中川隆之(編).医学書院,東京,2014,pp6-7
4)鴻 信義:手術支援器機と使用法.内視鏡下鼻内副鼻腔手術—副鼻腔疾患から頭蓋底疾患まで,森山 寛・他(編).医学書院,東京,2015,pp16-21
5)Sanna M, et al:Middle ear and mastoid microsurgery, 2nd ed. Thieme, New York, 2012, pp52-54
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