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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻11号

2020年10月発行

特集 Voiceを診る—音声障害を知ろう!〔特別付録Web動画〕

《音声障害の診断・治療・リハビリテーション》

声帯ポリープ,ポリープ様声帯

著者: 平野滋1

所属機関: 1京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.885 - P.889

文献概要

POINT

●声帯ポリープは声帯膜様部にできる良性隆起性病変であり,通常は血腫として発生する。声の濫用・誤用が成因であり,その形状は有茎性から広基性までさまざまで,色調も赤色調から白色調まで多彩である。病理学的には炎症性変化,肉芽形成,浮腫などが混在している。

●ポリープ様声帯は声帯全長が浮腫をきたして腫脹するもので,ラインケ浮腫とも呼ばれる。喫煙による慢性炎症が一番の成因で,内容物は水様性から器質性までさまざまである。

●いずれの疾患もラリンゴマイクロサージャリーによる病変切除が根本治療である。声帯ポリープにおいては,マイクロフラップ法を用いてポリープ内容物を除去し,上皮,粘膜固有層浅層の組織は極力温存することが望まれる。ポリープ様声帯では声帯全長に近い上皮切開が必要とされることが多いが,マイクロフラップ法により内容物を除去し粘膜を整える。いずれにしても健常組織を極力温存することが術後瘢痕の回避と粘膜再生に重要である。


*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2023年10月)。

参考文献

1)Sataloff RT, et al:Laryngeal mini-microflap:a new technique and reassessment of the microflap saga. J Voice 9:198-204. 1995
2)平野 滋:マイクロフラップテクニックによるラリンゴマイクロ手術.日耳鼻専門医通信93:18-19,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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