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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻12号

2020年11月発行

文献概要

特集 漢方医学入門—耳鼻咽喉科で漢方薬を使いこなす

小児に対する漢方治療のコツ

著者: 金子達1

所属機関: 1金子耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲:P.980 - P.983

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Point

●小児に対する漢方治療:症状・疾患から漢方を選択する。

  1.感染症,アレルギー疾患の直接治療(洋薬との併用可)

   ①インフルエンザ:麻黄湯,②感冒:葛根湯(加川芎辛夷),③アレルギー性鼻炎:小青竜湯・越婢加朮湯,④咳嗽:麦門冬湯・五虎湯

  2.機能性難聴,不眠:抑肝散,消化器症状があれば抑肝散加陳皮半夏,不眠があれば甘麦大棗湯を用いる

  3.難治性炎症性疾患(再発性中耳炎,小児副鼻腔炎):小建中湯,黄蓍建中湯,十全大補湯

  4.咳嗽:乾性は麦門冬湯,五虎湯

  5.滲出性中耳炎,低音障害型感音難聴,頭痛:五苓散,柴苓湯

  6.めまい,頭痛:五苓散,胃腸障害があれば半夏白朮天麻湯,頭痛のない内耳性めまいや起立性低血圧には苓桂朮甘湯

●小児に対しての漢方薬の飲ませ方:親の漢方理解が最も重要である。飲ませ方のコツを,子どもの性格や方剤に合わせて考える。

参考文献

1)丸山裕美子・他:小児反復性中耳炎.MB ENT 110:22-29,2010
2)今中政支:子供への処方.耳鼻咽喉科 早わかり 漢方薬処方ガイド,市村恵一(編).中山書店,東京,2015,pp180-187
3)武井克己:服薬の工夫.日小児東洋医会誌27:86-88,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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