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特集 漢方医学入門—耳鼻咽喉科で漢方薬を使いこなす 《私の推奨—代表的な漢方薬の使い方》
小柴胡湯加桔梗石膏を活用する—葛根湯,麻黄湯から一歩前へ
著者: 今中政支1
所属機関: 1いまなか耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1000 - P.1003
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●小柴胡湯加桔梗石膏の保険適応病名は扁桃炎・扁桃周囲炎のみであるが,咽頭痛を主とする上気道炎に早期から使用してよい(辛涼解表法)。
●急性症状に用いる際は,腹候の胸脇苦満などの慢性期の特徴的な証にかかわらず処方できる。
●小柴胡湯加桔梗石膏は日本の経験方であり,小柴胡湯に桔梗・石膏を加えたもので,抗炎症作用が増強されている。小柴胡湯の保険適応病名には諸種の急性熱性病,肺炎,気管支炎,気管支喘息,感冒,リンパ節炎とあり,小柴胡湯加桔梗石膏の実際の適用範囲は広い。
●小柴胡湯加桔梗石膏は葛根湯と併用することで,江戸時代の名医が創作した柴葛解肌湯に近い処方となり,頭痛や関節痛の残存した咽頭炎の患者やインフルエンザの患者にも有用である。
●小柴胡湯加桔梗石膏の保険適応病名は扁桃炎・扁桃周囲炎のみであるが,咽頭痛を主とする上気道炎に早期から使用してよい(辛涼解表法)。
●急性症状に用いる際は,腹候の胸脇苦満などの慢性期の特徴的な証にかかわらず処方できる。
●小柴胡湯加桔梗石膏は日本の経験方であり,小柴胡湯に桔梗・石膏を加えたもので,抗炎症作用が増強されている。小柴胡湯の保険適応病名には諸種の急性熱性病,肺炎,気管支炎,気管支喘息,感冒,リンパ節炎とあり,小柴胡湯加桔梗石膏の実際の適用範囲は広い。
●小柴胡湯加桔梗石膏は葛根湯と併用することで,江戸時代の名医が創作した柴葛解肌湯に近い処方となり,頭痛や関節痛の残存した咽頭炎の患者やインフルエンザの患者にも有用である。
参考文献
1)今中政支:漢方薬の取り入れ方のコツ インフルエンザ.JOHNS 26:623-626,2010
2)今中政支:最新の漢方診療—上気道炎・インフルエンザ.耳喉頭頸84:293-296,2012
3)今中政支:かぜに対する漢方治療.耳喉頭頸90:954-959,2018
4)稲木一元:小柴胡湯加桔梗石膏.漢方医34:172-175,2010
5)菅沼 伸(監),菅沼 栄(著):漢方方剤ハンドブック.東洋学術出版社,千葉,1996,pp61-62
6)秋葉哲生:活用自在の処方解説—広い応用をめざした漢方製剤の活用法.ライフ・サイエンス,東京,2009,p222
7)花輪壽彦:漢方診療のレッスン.金原出版,東京,1995,pp37-38
8)五島史行:耳鼻咽喉科と漢方薬—最新の知見.扁桃炎.MB ENT(229):74-76,2019
9)神戸中医学研究会(編):中医臨床のための中薬学.医歯薬出版,東京,1992,p77,p450
10)中田敬吾:インフルエンザ.漢方治療指針,矢数圭堂・他(監).緑書房,1999,p79
11)広瀬滋之:これだけは知っておきたい実践診療のコツ—小児科疾患漢方治療マニュアル.現代出版プランニング,東京,2006,pp122-125
12)小川恵子:(特別寄稿)COVID-19感染症に対する漢方治療の考え方.日本感染症学会ホームページ,2020
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