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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻12号

2020年11月発行

特集 漢方医学入門—耳鼻咽喉科で漢方薬を使いこなす

《私の推奨—代表的な漢方薬の使い方》

抑肝散と加味帰脾湯を不安神経症(不安障害)に用いる

著者: 清水謙祐12

所属機関: 1吉田病院耳鼻咽喉科・精神科 2宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室

ページ範囲:P.1014 - P.1018

文献概要

Point

●抑肝散は,体力中等度,易怒性,不安のある患者に用いると効果がみられる。

●加味帰脾湯は,体質虚弱,貧血気味,更年期障害,不安のある患者に用いるとよい。

●不安神経症は従来診断であり,現在の診断基準では,不安障害の大部分,および身体表現性障害とうつ病の一部を含む疾患群である。

●抑肝散を使用した症例(78歳,男性。不安神経症+軽度認知障害+アルコール依存症+両側性感音難聴+耳性めまい)と,加味帰脾湯を使用した症例(35歳,女性。不安神経症+片頭痛関連めまい)の呈示を行った。

参考文献

1)岡原一徳・他:認知症患者の行動・心理症状(BPSD)に対する抑肝散長期投与の安全性および有効性の検討.Dementia Jpn 26:196-205,2012
2)岡原一徳・他:レビー小体型認知症患者に対する抑肝散投与の有用性—長期投与の有効性および安全性に関する後方視的観察研究.Dementia Jpn 28:97-107,2014
3)島村美智枝・他:ラット卵巣摘出による機能変化に対する加味帰脾湯の効果—痛覚閾値,学習行動および循環機能について.日薬理誌108:65-75,1996
4)石川 滋:耳管開放症に対する薬物療法の試み—加味帰脾湯の使用経験.耳鼻臨床87:1337-1347,1994
5)American Psychiatric Association:Desk reference to the diagnostic criteria from DSM-5. American Psychiatric Association Publishing, Washington, D. C., 2013
6)中根允文・他(訳):ICD-10 精神および行動の障害—DCR研究用診断基準.医学書院,東京,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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