文献詳細
原著
鼻内術後管理を目的とした生理食塩水点鼻スプレーの有用性の検討
著者: 渡邊毅123 吉見龍二1 中尾信裕14 大木幹文5
所属機関: 1長崎大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2長崎大学病院医療教育開発センター 3長崎大学病院地域医療支援センター 4長崎みなとメディカルセンター耳鼻咽喉科 5北里大学メディカルセンター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.285 - P.291
文献概要
鼻内鼻副鼻腔手術後には鼻腔内に多量の痂皮が付着するため,この痂皮を脱落させる目的で食塩水を用いた鼻洗浄(俗にいう,鼻うがい)は一般的によく行われている1)。しかし,多忙である,出張が多く器具が持参できない,鼻洗浄の刺激が強く施行を拒否する(苦手である),年齢の問題で施行できない(小児や高齢のため),などの理由で鼻洗浄がうまく施行できない症例も少なからず散見される1)。そこで,長崎大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科(以下,当科)における鼻内手術後の患者で,定期的な鼻洗浄が困難な20症例において,市販の生理食塩水点鼻スプレー(ドライノーズ®スプレー:日本臓器製薬,図1)を用いた術後鼻処置法を試み,一般的なエネマシリンジ(図1)を用いた鼻洗浄の代用としての有用性について検討を行った。なお,この研究は長崎大学病院臨床研究センターの2015年度第10回臨床研究倫理委員会において,16020833番で申請が受理されている臨床研究である。
参考文献
掲載誌情報