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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻5号

2020年04月発行

増刊号 フローチャートと検査一覧で ひと目でわかる耳鼻咽喉科診療

1.耳科編

浮動性めまい—めまい症,加齢性めまい(加齢性平衡障害),中枢性めまい

著者: 肥塚泉1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.68 - P.73

文献概要

ここを押さえておこう

●めまいという症状を訴えるものの既存の診断基準に合致せず,各種平衡機能検査,画像検査,心理検査などで精査しても原因がはっきりしない場合,めまい症と診断される.近年,めまい症の一部あるいは多くが,慢性めまいを主訴とする機能性疾患である持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)である可能性が示されるようになった.SSRIの内服や前庭リハビリテーション,認知行動療法の有用性が報告されている.

●60歳以上で,少なくとも3か月以上持続するバランスの悪い姿勢または不安定性,歩行障害,慢性めまい,転倒の頻発などの慢性前庭症候のうち2つ以上を有し,軽度の両側性末梢性前庭機能障害を有しているものが,加齢性めまい(加齢性平衡障害)と診断される.前庭リハビリテーションが有用である.

●中枢性の原因で最も重要かつ見逃してはならないのは脳卒中(脳梗塞・脳出血)である.めまいという症状が前景に出る脳卒中は,脳幹または小脳の脳卒中である.これらが疑われたら早急にMRI拡散強調画像を撮影する.脳神経内科医あるいは脳外科医に診察を依頼する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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