文献詳細
増刊号 フローチャートと検査一覧で ひと目でわかる耳鼻咽喉科診療
3.口腔・咽喉頭編
咽喉頭異常感—咽喉頭異常感症,胃食道(咽喉頭酸)逆流症,喉頭アレルギー,茎状突起過長症
著者: 折舘伸彦1
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.213 - P.217
文献概要
●異常感の訴えは主観的なものであり,「のどがイガイガする」「何か異物があるような感じがある」「何となくつまった感じがする」というものが多く,症状の特徴として痛みを伴わないこと,食事により症状が改善すること,摂食時の嚥下では自覚されないことなどがある.
●症状は間欠的であったり持続的であったりさまざまで,自然経過によって症状の増悪・改善がみられることもある.
●問診・視診・頸部触診・喉頭ファイバースコープ検査まで行って,訴えに見合うような器質的病変(腫瘍性病変,慢性咽喉頭炎,口腔内乾燥,後鼻漏など)を見出せないときには,咽喉頭異常感症という病名がつけられる.有病率は不明であるが,外来患者の5〜10%を占めるとの報告もある.
●咽喉頭異常感を惹起する疾患が多彩であること,診断法が確立されていないこと,実臨床上は除外診断であることから,器質的疾患を見逃さないように留意すること,器質的疾患が除外された場合には十分に説明して安心させること,が重要である.
参考文献
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