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増刊号 フローチャートと検査一覧で ひと目でわかる耳鼻咽喉科診療 3.口腔・咽喉頭編
嚥下障害—下位脳神経麻痺,脳血管障害,神経筋疾患,加齢に伴う嚥下障害
著者: 上羽瑠美1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚運動機能講座耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.218 - P.227
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●嚥下の各期(認知期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期)が,さまざまな原因で障害されることにより嚥下障害を生じる.
●嚥下障害は原因疾患により障害のされ方が異なる.腫瘍や炎症,狭窄などによる器質的障害と,神経筋疾患や脳卒中などによる機能的障害がある.機能的嚥下障害の評価では,原因となりうる疾患でどのような嚥下障害が生じるかをあらかじめ理解しておく必要がある.
●脳神経障害(特に下位脳神経麻痺)を評価し,神経学的評価と患者の全身所見から嚥下障害の原因疾患を推測することがポイントである.
●嚥下の各期(認知期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期)が,さまざまな原因で障害されることにより嚥下障害を生じる.
●嚥下障害は原因疾患により障害のされ方が異なる.腫瘍や炎症,狭窄などによる器質的障害と,神経筋疾患や脳卒中などによる機能的障害がある.機能的嚥下障害の評価では,原因となりうる疾患でどのような嚥下障害が生じるかをあらかじめ理解しておく必要がある.
●脳神経障害(特に下位脳神経麻痺)を評価し,神経学的評価と患者の全身所見から嚥下障害の原因疾患を推測することがポイントである.
参考文献
1)Leopold NA, et al:Swallowing, ingestion and dysphagia:a reappraisal. Arch Phys Med Rehabil 64:371-373, 1983
2)上羽瑠美:嚥下障害.耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック 第2版,落合慈之(監),中尾一成(編).学研メディカル秀潤社,東京,2018,pp278-286
3)野崎園子:パーキンソン病の摂食・嚥下障害.医療61:99-103,2007
4)上羽瑠美・他:両側声帯麻痺をきたした多系統萎縮症症例の検討—声帯麻痺と嚥下機能との関連,MSA-CとMSA-Pに分類した検討.嚥下医学1:169-177,2012
5)Ueha R, et al:Post-operative swallowing in multiple system atrophy. Eur J Neurol 23:393-400, 2015
6)肥後隆三郎:神経・筋疾患における摂食・嚥下障害.口咽科24:17-20,2011
7)森 隆志:サルコペニアの摂食嚥下障害.日静脈経腸栄会誌3:949-954,2016
8)日本耳鼻咽喉科学会(編):嚥下障害診療ガイドライン2018年版.金原出版,東京,2018
9)Kaneoka A, et al:Relationship between laryngeal sensory deficits, aspiration, and pneumonia in patients with dysphagia. Dysphagia 33:192-199, 2018
10)Ueha R, et al:Acute inflammatory response to contrast agent aspiration and its mechanisms in the rat lung. Laryngoscope 129:1533-1538, 2019
11)Ueha R, et al:Chronic inflammatory response in the rat lung to commonly used contrast agents for videofluoroscopy. Laryngoscope Investig Otolaryngol 4:335-340, 2019
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