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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻7号

2020年06月発行

文献概要

原著

同側の中耳と小脳橋角部に併存した髄膜腫症例

著者: 伊藤有紀1 大淵豊明1 河口倫太郎1 川村有希1 古閑有馬1 鈴木秀明1

所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

ページ範囲:P.547 - P.551

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はじめに

 髄膜腫はクモ膜細胞を母地として発生し,主に頭蓋内に好発する腫瘍である。多くは良性であるが悪性のものもあり,男女比はおよそ1:2.5で女性に好発する1)。原発性脳腫瘍のおよそ25%を占め,多くは頭蓋内に限局するが,組織型によっては頭蓋外に進展することがある1〜5)。また,稀に頭蓋外で異所性に発生する場合もある2,3,6)。渉猟しえた限りでは,頭蓋内に原発した髄膜腫と頭蓋外に発生した異所性髄膜腫が併存した症例は,これまでに報告がない。今回われわれは,同側の小脳橋角部と中耳に併存した髄膜腫症例を経験した。

参考文献

1)Brain Tumor Registry of Japan(2001-2004). Neurol Med Chir(Tokyo) 54(Suppl 1):1-102, 2014
2)小泉弘樹・他:中耳原発腫瘍11例の検討.耳鼻臨床111:605-610,2018
3)鈴木秀明・他:頭頸部頭蓋外髄膜腫の3例.耳喉頭頸88:351-356,2016
4)志村英二・他:中耳に進展した小脳橋角部髄膜腫の1症例.耳展53:22-28,2010
5)Louis DN, et al(eds):WHO classification of tumors of the central nervous system, 4th ed. WHO, Lyon, 2007
6)Kershisnik M, et al:Extracranial, extraspinal meningiomas of the head and neck. Ann Otol Rhinol Laryngol 102:967-970, 1993
7)猿谷昌司・他:中耳良性腫瘍の免疫病理組織像とその臨床的特徴.日耳鼻110:403-409,2007
8)Rietz DR, et al:Significance of apparent intratympanic meningiomas. Laryngoscope 93:1397-1404, 1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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