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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻7号

2020年06月発行

文献概要

原著

固形物摂取時に発現する下顎骨異常運動の誘因が扁桃結石であった1例

著者: 山本圭介1 三枝英人1 門園修1 前田恭世1 岡田愛弓1 伊藤裕之1 山本昌彦1

所属機関: 1東京女子医科大学八千代医療センター耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.559 - P.563

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はじめに

 扁桃結石は口蓋扁桃の慢性炎症に伴って炭酸カルシウムやリン酸カルシウムが沈着,堆積した結果,発生する1)。その多くが無症状であり,CTなどの画像診断の際に偶然発見されることも多いが2),時に増大し,口腔・咽頭の異常感や咽頭痛,嚥下時痛を発症することもある3,4)。今回,私たちは,固形物摂取時に下顎骨の異常運動が出現し,これが持続したまま嚥下を行うことが困難になるという特異な嚥下障害を訴えて当科を受診し,その誘因が扁桃結石であったと考えられた1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する。

参考文献

1)清恵理子・他:扁桃結石の一症例.日扁桃誌25:29-34,1986
2)Takahashi A, et al:Prevalence and imaging characteristics of palatine tonsilloliths evaluated on 2244 pairs of panoramic radiographs and CT images. Clin Oral Invest 21:85-91, 2017
3)田畑貴久・他:巨大扁桃結石の1症例.口咽科28:155-158,2015
4)平山真理子・他:巨大扁桃結石例.耳鼻臨床104:505-508,2011
5)田中芳明:NST栄養管理パーフェクトガイド(上).医歯薬出版,東京,2007,p39
6)梶龍兒(編):不随意運動の診断と治療.診断と治療社,東京,2006
7)Weller C:The incidence and pathogenesis of tonsillar concetions. Ann Otol Rhinol Laryngol 33:79-119, 1924
8)飯倉 保:口蓋扁桃腺の異物.大日耳鼻40:367-387,1934

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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