文献詳細
原著
当科における誤嚥防止術症例の検討
著者: 永井淳平1 蘆立雅紀1 東野正明2 河田了2
所属機関: 1大阪医科大学医学部医学科 2大阪医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.659 - P.664
文献概要
嚥下障害はさまざまな要因で生じ,重篤になると繰り返す肺炎や低栄養を引き起こす。嚥下障害治療の基本はリハビリテーションであるが,リハビリテーションを施行しても誤嚥を繰り返し,経口摂取までたどり着くことが困難な症例が存在する。嚥下機能が著しく低下し,誤嚥を繰り返す場合には,肺炎により死に至ることも少なくない。そのような症例に対し,確実に誤嚥を防ぐことを目的とした誤嚥防止術が有効とされている1)。誤嚥防止術は,文字通り誤嚥を防止するための手術である。経口摂取が可能になるかどうかは不確定であるが,患者や家族は手術することで経口摂取が可能になるのではないかと期待する。
今回われわれは,当科において重度の嚥下障害に対する誤嚥防止術として喉頭全摘出術を施行した症例について,術前後の状態を検討した。
参考文献
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