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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科92巻8号

2020年07月発行

原著

当科における誤嚥防止術症例の検討

著者: 永井淳平1 蘆立雅紀1 東野正明2 河田了2

所属機関: 1大阪医科大学医学部医学科 2大阪医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.659 - P.664

文献概要

はじめに

 嚥下障害はさまざまな要因で生じ,重篤になると繰り返す肺炎や低栄養を引き起こす。嚥下障害治療の基本はリハビリテーションであるが,リハビリテーションを施行しても誤嚥を繰り返し,経口摂取までたどり着くことが困難な症例が存在する。嚥下機能が著しく低下し,誤嚥を繰り返す場合には,肺炎により死に至ることも少なくない。そのような症例に対し,確実に誤嚥を防ぐことを目的とした誤嚥防止術が有効とされている1)。誤嚥防止術は,文字通り誤嚥を防止するための手術である。経口摂取が可能になるかどうかは不確定であるが,患者や家族は手術することで経口摂取が可能になるのではないかと期待する。

 今回われわれは,当科において重度の嚥下障害に対する誤嚥防止術として喉頭全摘出術を施行した症例について,術前後の状態を検討した。

参考文献

1)香取幸夫:誤嚥防止手術.耳鼻臨床108:501-505,2015
2)「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」の活用について.平成3年11月18日 老健第102-2号 厚生省大臣官房老人保健福祉部長通知
3)日本耳鼻咽喉科学会(編):嚥下障害診療ガイドライン 2018年度版.金原出版,東京,2018
4)日本神経学会(監),「筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン」作成委員会(編):筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン 2013.南江堂,東京,2013
5)日本神経学会(監),「脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン」作成委員会(編):脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン 2018.南江堂,東京,2018
6)後藤理恵子:誤嚥防止術.医療61:122-127,2007
7)成尾一彦・他:当科における重症心身障害児に対する誤嚥防止手術の検討.小児耳33:299-305,2012
8)石永 一・他:誤嚥防止手術を行った重症心身障害児・者の6例.日気食会報65:330-333,2014
9)中平光彦・他:誤嚥防止手術例の検討.耳鼻52(補4):S304-S306,2006
10)宇野敦彦・他:当科での誤嚥防止手術症例—その適応と術後状態の検討.喉頭29:8-13,2017
11)福家智仁・他:進行性神経疾患における誤嚥防止術と介護者のQOL.日気食会報58:371-376,2007
12)竹村考史・他:誤嚥性肺炎患者に対する誤嚥防止術後のQOL改善度.日耳鼻107:133-138,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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