文献詳細
特集 好酸球性副鼻腔炎up-to-date—病態解明と最適な治療をめざして
《手術治療》
文献概要
POINT
●好酸球性副鼻腔炎は嗅裂病変を伴うことが多く,その外科的処置は嗅覚改善の観点からも今後ますます重要になると考えられる。
●嗅裂は狭い空間であり出血も多いため,視野の確保が難しい。そのため病変の切除が不十分となりやすく,逆に粘膜の過剰切除による医原性嗅覚障害のリスクも伴う。
●手術操作のポイントは,篩骨洞の開放を行いながら少しずつ嗅裂の視野を広げること,出血を適切にコントロールすること,マイクロデブリッダーと鉗子を上手に使い分けて丁寧に病変を除去することである。
●術後の再発や癒着が容易に起こるため,術中操作だけではなく,術後のパッキング方法と外来での定期的な処置まで一貫した管理が重要である。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年1月)。
●好酸球性副鼻腔炎は嗅裂病変を伴うことが多く,その外科的処置は嗅覚改善の観点からも今後ますます重要になると考えられる。
●嗅裂は狭い空間であり出血も多いため,視野の確保が難しい。そのため病変の切除が不十分となりやすく,逆に粘膜の過剰切除による医原性嗅覚障害のリスクも伴う。
●手術操作のポイントは,篩骨洞の開放を行いながら少しずつ嗅裂の視野を広げること,出血を適切にコントロールすること,マイクロデブリッダーと鉗子を上手に使い分けて丁寧に病変を除去することである。
●術後の再発や癒着が容易に起こるため,術中操作だけではなく,術後のパッキング方法と外来での定期的な処置まで一貫した管理が重要である。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年1月)。
参考文献
1)Mori E, et al:Risk factors for olfactory dysfunction in chronic rhinosinusitis. Auris Nasus Larynx 40:465-469, 2013
2)三輪高喜・他;嗅覚障害診療ガイドライン作成委員会:嗅覚障害診療ガイドライン.日鼻誌56:487-556,2017
3)小林正佳:嗅覚障害を治すためのESS手技.日鼻誌53:20-21,2014
4)安松隆治・他:内視鏡下鼻・副鼻腔手術を施行した好酸球性副鼻腔炎症例の臨床的検討.耳鼻56:54-59,2010
5)森 恵莉:嗅裂病変の処置と術後ケア.耳喉頭頸91:746-753,2019
6)山岸益夫・他:嗅覚障害を主訴とする限局性の箭骨洞炎—手術的療法と保存的療法の比較.耳展28:491-498,1985
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9)Oka H, et al:Olfactory changes after endoscopic sinus surgery in patients with chronic rhinosinusitis. Auris Nasus Larynx 40:452-457, 2013
10)Arjuna B, et al:The effect of endoscopic olfactory cleft polyp removal on olfaction. Am J Rhinol Allergy 4:309-313, 2015
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