POINT
●加齢性難聴に対する補聴器診療での聴覚リハビリテーションについて概説した。
●難聴高齢者が抱える周波数・時間分解能の低下は補聴器のみで補うことは難しく,補聴器の装用効果には個人差があり,また不適切な聴取習慣や中枢の認知処理能の低下を伴っていることもある。
●聴覚リハビリテーションでは,補聴器の調整のみならず言語聴取能とコミュニケーションの改善を図ることが求められる。
●当科で行われている残存聴覚機能を最大限に活用するための,聴覚-認知機能の統合訓練を意図した溝口方式聴覚リハビリテーションの実際,具体的手法とその効果について提示した。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年9月)。