文献詳細
特集 知っておきたい 効果的なリハビリテーション〔特別付録Web動画〕
《耳領域》
文献概要
POINT
●加齢性難聴に対する補聴器診療での聴覚リハビリテーションについて概説した。
●難聴高齢者が抱える周波数・時間分解能の低下は補聴器のみで補うことは難しく,補聴器の装用効果には個人差があり,また不適切な聴取習慣や中枢の認知処理能の低下を伴っていることもある。
●聴覚リハビリテーションでは,補聴器の調整のみならず言語聴取能とコミュニケーションの改善を図ることが求められる。
●当科で行われている残存聴覚機能を最大限に活用するための,聴覚-認知機能の統合訓練を意図した溝口方式聴覚リハビリテーションの実際,具体的手法とその効果について提示した。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年9月)。
●加齢性難聴に対する補聴器診療での聴覚リハビリテーションについて概説した。
●難聴高齢者が抱える周波数・時間分解能の低下は補聴器のみで補うことは難しく,補聴器の装用効果には個人差があり,また不適切な聴取習慣や中枢の認知処理能の低下を伴っていることもある。
●聴覚リハビリテーションでは,補聴器の調整のみならず言語聴取能とコミュニケーションの改善を図ることが求められる。
●当科で行われている残存聴覚機能を最大限に活用するための,聴覚-認知機能の統合訓練を意図した溝口方式聴覚リハビリテーションの実際,具体的手法とその効果について提示した。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2024年9月)。
参考文献
1)Livingston G, et al:Dementia prevention, intervention, and care:2020 report of the Lancet Commission. Lancet 396:413-446, 2020
2)Moore BC:Frequency selectivity and temporal resolution in normal and hearing-impaired listeners. Br J Audiol 19:189-201, 1985
3)Moore BCJ:The roles of temporal envelope and fine structure information in auditory perception. Acoust Sci Technol 40:62-83, 2019
4)高木 明:難聴者の周波数選択性と時間分解能.耳展45:460-468,2002
5)小寺一興:補聴器フィッティングの考え方 改訂第3版.診断と治療社,東京,2010,pp4-5
6)三瀬和代・他:補聴器装用における文章追唱訓練を加えた聴覚リハビリテーションの有用性.Audiology Japan 62:59-67,2019
7)De Filippo CL, et al:A method for training and evaluating the reception of ongoing speech. J Acoust Soc Am 63:1186-1192, 1978
8)鈴木恵子・他:難聴者におけるコミュニケーションストラテジー—『きこえについての質問紙2002』の回答に表れた傾向.Audiology Japan 56:226-233,2013
9)岡本康秀・他:老人性難聴における時間分解能測定.Audiology Japan 57:694-702,2014
10)新田清一:リハビリテーションによる機能回復—難聴.日耳鼻118:259-263,2015
11)氏田直子・他:リハビリテーションマニュアル(成人・学童編).日本コクレア社,東京,2001,pp145-147
12)三瀬和代・他:溝口式聴覚リハビリテーションにおける文章追唱訓練前後の追唱率の変化に関する検討.Audiology Japan 63:458,2020
13)川瀬哲明:聴覚臨床に役立つ聴覚メカニズムの知識—音受容から聴覚情景分析まで.Audiology Japan 61:177-186,2018
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