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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科93巻10号

2021年09月発行

文献概要

特集 知っておきたい 効果的なリハビリテーション〔特別付録Web動画〕 《頭頸部領域》

頸部郭清術後のリハビリテーション

著者: 伏屋洋志1 辻哲也2

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科 2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室

ページ範囲:P.829 - P.835

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POINT

●頸部郭清術後は副神経の損傷によりshoulder syndromeが生じる可能性がある。

●shoulder syndromeは肩甲骨,肩関節の運動障害に頸部から肩周囲の痛み・しびれを伴い,患者のQOLを損なう。

●効果的なリハビリテーション治療には,shoulder syndromeに関わる解剖学的知識が不可欠である。

●リハビリテーション治療の目標は,肩関節の不動や過用,誤用の予防と痛み・しびれのコントロール,さらには麻痺筋の促通,肩関節の代償動作の指導などである。

参考文献

1)辻 哲也:頭頸部がんの特徴・治療・リハビリテーションの概要.辻 哲也(編):がんのリハビリテーションマニュアル—周術期から緩和ケアまで.医学書院,東京,2011,pp68-87
2)日本頭頸部癌学会(編):頭頸部癌取扱い規約 第6版補訂版.金原出版,東京,2019,p8
3)中島寅彦:頸部郭清術の基本的手技.日耳鼻120:1350-1353,2017
4)日本頭頸部癌学会(編):頭頸部癌診療ガイドライン 2018年版.金原出版,東京,2017,p171
5)坂井建雄・他(監訳):プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系.医学書院,東京,2007
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16)伏屋洋志:頭頸部がん手術.総合リハ48:457-463,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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