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あとがき
著者: 大石直樹
所属機関:
ページ範囲:P.960 - P.960
文献購入ページに移動 いま東京パラリンピックが開催されています。東京オリンピックの開催は賛否両論がありましたが,少なくとも多くの感動を与えてくれたことは間違いないと思います。素晴らしいパフォーマンスを発揮されたアスリートの皆さんに感謝したいと思っています。一方,コロナ感染拡大の勢いが収まらず,全国の医療現場は厳しい状況に陥ってしまっています。子どもたちへの感染も広がっている状況で,夏休みが明けたあとどのようになるのか,本当に予断を許さない状況です。世の中が少しでも良い方向に向かってくれることを祈っています。
さて,今月の特集は「手術道具・材料はこう使う!—プロに学ぶ基本とコツ」です。昔はどの分野でもプロの技は盗むもの,とされていましたが,いまは多くの分野で情報が公開され,従来は質問することも許さない雰囲気だったプロ側も,自らの技のコツを惜しみなく伝授する傾向が世の中全体で強くなってきています。学ぶ側からすると嬉しい変化ですが,しかし私の若いときは,まだ技を「盗む」雰囲気が多分に残っていました。卒後5年目に勤務した静岡赤十字病院では,当時院長を務められていた頭頸部頭蓋底外科のパイオニアである行木英生先生の技を盗もうと私自身必死でした。プロの術者は,難しい局面でも手術のペースを変えることなく,一定のペースで手術を進められるものであり,そして何よりプロの術者としてのオーラを纏い,その空間を完全に支配しているという感じを受けました。術者としての頂を見せていただいた感じで,その経験はその後の大きな財産となりました。
さて,今月の特集は「手術道具・材料はこう使う!—プロに学ぶ基本とコツ」です。昔はどの分野でもプロの技は盗むもの,とされていましたが,いまは多くの分野で情報が公開され,従来は質問することも許さない雰囲気だったプロ側も,自らの技のコツを惜しみなく伝授する傾向が世の中全体で強くなってきています。学ぶ側からすると嬉しい変化ですが,しかし私の若いときは,まだ技を「盗む」雰囲気が多分に残っていました。卒後5年目に勤務した静岡赤十字病院では,当時院長を務められていた頭頸部頭蓋底外科のパイオニアである行木英生先生の技を盗もうと私自身必死でした。プロの術者は,難しい局面でも手術のペースを変えることなく,一定のペースで手術を進められるものであり,そして何よりプロの術者としてのオーラを纏い,その空間を完全に支配しているという感じを受けました。術者としての頂を見せていただいた感じで,その経験はその後の大きな財産となりました。
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