文献詳細
原著
当院におけるめまい患者に対する初診時Dizziness Handicap Inventory(DHI)の有用性に関する検討
著者: 柳澤佐和子1 大平真也1 古谷花絵1 井田裕太郎1 和田弘太1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1043 - P.1048
文献概要
Dizziness Handicap Inventory(DHI)とは,1990年にJacobsonとNewmanにより作成されためまいによる日常生活の支障度を自己評価するための質問紙である1)。身体面(physical:P,7項目),精神面(emotional:E,9項目),機能面(functional:F,9項目)の全25項目からなり,それぞれを“はい(4点)・時々(2点)・いいえ(0点)”で回答することで得られた合計点(DHIスコア)から“障害なし(0〜14点)・軽症(16〜26点)・中等症(28〜44点)・重症(46〜100点)”の4段階に分類することができる。DHIスコアは前庭機能障害における生活の質・治療効果の評価2)や,原因に精神的要素が関連しているかを評価する目的に使用することができるとされている3)。
本邦においては,2004年にDHIを和訳した質問紙を使用してその有用性を示した報告4)がなされており,一般診療において広く用いられている。DHIの有用性についての検討はこれまでにも数多くなされてきたが3〜5),今回,当院においてめまいを主訴に受診した患者に対し,初診時に日本語版DHI(以下,J-DHI)4,6)を使用してDHIスコアを算出し,各疾患,精神素因,高齢/非高齢との関連性などについて評価・検討を行うことで,初診時におけるJ-DHI質問紙の有用性を改めて評価した。
参考文献
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