icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科93巻13号

2021年12月発行

特集 頭頸部の再建をマスターする!〔特別付録Web動画〕

《部位別再建法》

下咽頭の再建—喉頭温存の場合を含めて

著者: 後藤孝浩1

所属機関: 1宮城県立がんセンター形成外科

ページ範囲:P.1120 - P.1123

文献概要

POINT

●下咽頭の再建には咽頭喉頭食道全摘(TPLE)と部分切除に対する再建があり,どちらも血管柄付き遊離組織移植が第一選択となっている。

●TPLEに対しては,空腸による再建が標準術式といえるほど最も多く行われてきたが,腹部合併症のリスクやコストの問題から,一部の施設では大腿皮弁による再建も行われるようになっている。

●下咽頭部分切除に対しては,切除範囲などに応じて空腸(パッチ)あるいは薄い遊離皮弁が用いられるが,下咽頭部分切除の再建を行っている施設は少なく,適応基準も含めた検討がまだ必要である。

●下咽頭の再建は放射線照射後の症例も多く,術後の咽頭皮膚瘻への対策も考えておくべきで,また空腸による再建後は腹部合併症にも対応できるよう消化器外科との連携が必要不可欠である。

参考文献

1)Kimata Y, et al:Simple reconstruction of large pharyngeal defects with free jejunal transfer. Laryngoscope 110:1230-1233, 2000
2)Tachibana S, et al:Efficacy of tensed and straight free jejunum transfer for the reduction of postoperative dysphagia. Plast Reconstr Surg Glob Open 5:e1599, 2017
3)松浦一登:下咽頭癌に対する喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除切除術.耳鼻臨床111:215-223,2018
4)後藤孝浩・他:下咽頭・喉頭部分切除に対する再建手術の検討—空腸パッチの適応に関する考察.頭頸部癌39:92-98,2013
5)黒沢是之・他:喉頭温存・下咽頭部分切除術に対する再建症例の術後嚥下機能障害の検討.頭頸部癌44:370-375,2018
6)石田勝大・他:咽頭喉頭全摘後の前外側大腿皮弁による再建.形成外科63:370-378,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら