文献詳細
原著
鼻腔内過剰逆生歯牙の1例
著者: 成尾一彦1 阪上剛1 堀中昭良1 松山尚平1 北原糺2
所属機関: 1奈良県総合医療センター耳鼻いんこう科 2奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
ページ範囲:P.163 - P.166
文献概要
過剰歯は小児歯科領域では比較的よく遭遇する歯の発生異常で,渡辺1)は1.48%,荻田ら2)は1.67%の発生率であるとしている。歯の萌出方向については,正常な萌出方向をとるものは順生,正常な萌出方向と逆の方向をとるものは逆生とされている。部位では上顎の正中である正中過剰歯が多いが,上顎小臼歯や下顎小臼歯,上顎洞内に存在するものもあり,鼻腔内の発生はきわめて稀である。上顎洞や鼻腔内に転位するのは逆生歯牙に相当し,耳鼻咽喉科の日常診療で遭遇することはほとんどない。
今回,近医耳鼻咽喉科で鼻腔内腫瘤を指摘され当院に紹介後,鼻腔内過剰逆生歯芽の診断で内視鏡下に摘出した症例を経験したので報告する。
参考文献
掲載誌情報