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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科93巻4号

2021年04月発行

特集 あたらしい聴覚・平衡機能検査の見方と臨床応用

《あたらしい聴覚検査の新展開》

補聴器適合検査—実耳測定と雑音下での語音明瞭度の測定の臨床応用法

著者: 上野真史1 新田清一1

所属機関: 1済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.321 - P.325

文献概要

POINT

●「補聴器適合検査の指針(2010)」で示されている8つの検査法のうち,実耳挿入利得の測定と雑音下での語音明瞭度の測定の臨床応用法について概説した。

●実耳挿入利得の測定は,特に小児例やオープンフィッティング例において有用である。小児例などで実耳測定が困難な場合は,real-ear to coupler difference(RECD)を活用すれば実耳測定を一度で済ませることができる。

●雑音を負荷したときの語音明瞭度については,雑音なしとSN比+10dB,+5dB,+0dBの4条件での評価を行うことで,患者が聴取困難をきたす条件を明らかにし,環境調整などの指導に活用できる。

●57-S語表により4条件の測定を行うと検査時間が長時間となり,集中力が持続せず1日での測定が困難な場合が多い。67-S語表を活用することでより短時間で施行でき,患者や医療者の負担軽減につながる。

参考文献

1)新田清一:補聴器適合検査前に必要なことは? これだけは実施しておきたい検査と説明—成人の場合.MB ENT 144:43-48,2012
2)杉内智子:補聴器の効果と適合判定.Audiol Jpn 51:193-199,2008
3)小寺一興・他:補聴器適合検査の指針(2010)について.Audiol Jpn 53:708-726,2010
4)亀井昌代:補聴器適合検査の実際.耳喉頭頸92:52-57,2020
5)新田清一・他:補聴器適合検査.MB ENT 169:78-86,2014
6)保科卓成・他:補聴器適合検査の実際.JOHNS 33:445-449,2017
7)水足邦雄:新しい聴覚検査 補聴器適合に役立つ検査—実耳測定とワイドバンドティンパノメトリー.Audiol Jpn 63:174-180,2020
8)Winkler A, et al:Open versus closed hearing-aid fittings:a literature review of both fitting approaches. Trends Hear 20:1-13, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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