文献詳細
特集 あたらしい聴覚・平衡機能検査の見方と臨床応用
《あたらしい聴覚検査の新展開》
補聴器適合検査—実耳測定と雑音下での語音明瞭度の測定の臨床応用法
著者: 上野真史1 新田清一1
所属機関: 1済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.321 - P.325
文献概要
●「補聴器適合検査の指針(2010)」で示されている8つの検査法のうち,実耳挿入利得の測定と雑音下での語音明瞭度の測定の臨床応用法について概説した。
●実耳挿入利得の測定は,特に小児例やオープンフィッティング例において有用である。小児例などで実耳測定が困難な場合は,real-ear to coupler difference(RECD)を活用すれば実耳測定を一度で済ませることができる。
●雑音を負荷したときの語音明瞭度については,雑音なしとSN比+10dB,+5dB,+0dBの4条件での評価を行うことで,患者が聴取困難をきたす条件を明らかにし,環境調整などの指導に活用できる。
●57-S語表により4条件の測定を行うと検査時間が長時間となり,集中力が持続せず1日での測定が困難な場合が多い。67-S語表を活用することでより短時間で施行でき,患者や医療者の負担軽減につながる。
参考文献
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