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特集 小児難聴を究める!
《各種小児難聴の最新情報》
文献概要
POINT
●小児滲出性中耳炎(OME)の約半数には難聴がみられるが,本人や保護者が気づいていない場合もあり,評価が必要である。
●幼児で聴力検査が実施できない場合では絵シートなどを用いた評価も有用であり,検査が実施できた場合でも結果の解釈は慎重に実施する必要がある。
●鼓膜切開術は即効性に聴力の改善が期待できる治療方法であるが,長期的な聴力改善を目的に反復して実施することは推奨されていない。
●鼓膜換気チューブ留置術は,遷延するOMEで良聴耳聴力が30dB以上の場合に推奨されている。
●新生児聴覚スクリーニング検査で判明したOMEに関しては,自然治癒することも多いため不必要な鼓膜切開やチューブ留置などを避ける一方,OMEにより介入が必要な難聴児の診断に遅れがないような対応が必要である。
●小児滲出性中耳炎(OME)の約半数には難聴がみられるが,本人や保護者が気づいていない場合もあり,評価が必要である。
●幼児で聴力検査が実施できない場合では絵シートなどを用いた評価も有用であり,検査が実施できた場合でも結果の解釈は慎重に実施する必要がある。
●鼓膜切開術は即効性に聴力の改善が期待できる治療方法であるが,長期的な聴力改善を目的に反復して実施することは推奨されていない。
●鼓膜換気チューブ留置術は,遷延するOMEで良聴耳聴力が30dB以上の場合に推奨されている。
●新生児聴覚スクリーニング検査で判明したOMEに関しては,自然治癒することも多いため不必要な鼓膜切開やチューブ留置などを避ける一方,OMEにより介入が必要な難聴児の診断に遅れがないような対応が必要である。
参考文献
1)日本耳科学会・他(編):小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2015年版.金原出版,東京,2015
2)Rosenfeld RM, et al:Clinical practice guideline:Otitis media with effusion(update). Otolaryngol Head Neck Surg 154(Suppl 1):S1-S41, 2016
3)Ungkanont K, et al:Association of otoscopic findings and hearing level in pediatric patients with otitis media with effusion. Int J Pediatr Otorhiolaryngol 74:1063-1066, 2010
4)National Collaborating Centre for Women's and Children's Health(UK):Surgical management of otitis media with effusion in children. National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)clinical guideline. RCOG Press, London, 2008
5)Zong S, et al:Efficacy of laser myringotomy compared with incisional myringotomy for the treatment of otitis media with effusion in pediatric patients:a systematic review. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 123:181-186, 2019
6)Boudewyns A, et al:Otitis media with effusion:an underestimated cause of hearing loss in infants. Otol Neurotol 32:799-804, 2011
7)増田佐和子・他:新生児聴覚スクリーニング精密検査児の滲出性中耳炎.Otol Jpn 29:215-221,2019
掲載誌情報