文献詳細
文献概要
原著
慢性中耳炎から両側硬膜外膿瘍,両側S状静脈洞血栓症をきたした1例
著者: 石田ちひろ1 熊田純子1 稲吉康比呂1 木田渉1 中屋宗雄1
所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.749 - P.753
文献購入ページに移動耳性頭蓋内合併症には,髄膜炎,硬膜外膿瘍,硬膜下膿瘍,脳膿瘍,S状静脈洞血栓症などがある。近年は抗菌薬の開発,医療機器や医療技術の進歩によりこれらの合併症の頻度は減少しているが,今日でも耳性頭蓋内合併症に関する報告は散見されている。耳疾患の既往症がない患者の中耳炎であっても,患者が免疫低下状態であるときは重症な合併症をきたしうる1)ため,迅速かつ適切な対応が必要となる。
今回われわれは,きわめて稀なA群β溶血性レンサ球菌による両側慢性中耳炎の増悪から両側硬膜外膿瘍,両側S状静脈洞血栓症をきたした1例を経験したので報告する。
参考文献
掲載誌情報