文献詳細
原著
鼻中隔矯正術症例における鼻中隔軟骨尾側端の術後形態変化についての検討
著者: 西田直哉1 髙木太郎1 青石邦秀1 甲斐成彦1 高瀬慎也1 高橋宏尚2 羽藤直人1
所属機関: 1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科 2聖光会鷹の子病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1059 - P.1064
文献概要
鼻中隔彎曲症に対して行う鼻中隔矯正術は,耳鼻咽喉科専門研修において鼻・副鼻腔領域での到達目標にも記載されているように,耳鼻咽喉科にとって基本的な手術手技の1つである。一般的な鼻中隔矯正術は,鼻中隔軟骨尾側端より約10〜15mm後方の粘膜を切開するKillianアプローチ1)で行われるが,このアプローチでは粘膜切開よりも前方の鼻中隔軟骨尾側端の彎曲(前彎)は矯正できない。前彎を伴う鼻中隔彎曲症例に対しては,鼻中隔軟骨尾側端から2〜3mm後方を切開し,尾側端を前方から露出させるhemitransfixionアプローチ2)で前彎矯正が可能となる(図1)。しかしながら本邦では,hemitransfixionアプローチは広く普及しているとはいえず,前彎を伴う症例に対してKillianアプローチを行い,術後に前彎が残存する症例も散見されるのが実情と思われる。そこで今回われわれは,それぞれのアプローチ法で鼻中隔矯正術を行った症例において,手術前後での鼻中隔軟骨尾側端の形態変化を明らかにするために,CTを用いて検討を行ったので報告する。
参考文献
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