耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻12号

2022年11月発行

原著

口蓋扁桃摘出後に判明した軽症の血友病A症例

著者： 富岡史行¹ 武田純治¹

所属機関： ¹坂出市立病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.1065 - P.1068

文献概要

はじめに

　口蓋扁桃摘出術（以下，扁摘）は，耳鼻咽喉科領域の手術において最も頻度の高い手術の1つであるが，術後合併症として術後出血があり，頻度としては1〜14％と報告されている^1〜3）。今回われわれは，扁摘後の創部の治癒遅延や，繰り返す出血により判明した軽症の血友病Aの症例を経験したので報告する。

参考文献

1）石田良治・他：口蓋扁桃摘出術術後出血の検討．耳鼻臨床99：391-395，2006

2）小林隆一・他：当科における口蓋扁桃摘出術の検討．口咽科11：425-431，1999

3）三橋友里・他：口蓋扁桃摘出術における術後出血の検討．口咽科30：129-133，2017

4）瀧 正志・他；血液凝固異常症全国調査運営委員会：血液凝固異常症全国調査 令和2年度報告書．エイズ予防財団，2021

5）藤井輝久・他；インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン作成委員会：インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン 2013年改訂版．日本血栓止血学会，2013

6）福武勝幸：世界の血友病診療状況と日本—日本におけるより良い血友病診療を目指して．Hemophila Topics 23，バイエル薬品社，2011

7）林 寛子・他：マイコプラズマ感染後に発症した一過性血液凝固障害の1例．日小児血液会誌19：30-34，2005