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原著
アルコール性小脳失調症の断酒後長期経過観察例
著者: 中村允人1 井上彰子1 金海隆子1 山口裕聖1 松浦賢太郎1 長舩大士1 和田弘太1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1075 - P.1081
文献購入ページに移動アルコール性小脳失調症は,長期間の飲酒により生じる小脳失調症である。過去にはアルコール依存症・中毒症症例における平衡機能の統計学的報告が存在し,電気眼振図検査(electronystagmography:ENG)においてeye tracking test(ETT),optokinetic nystagmus test(OKN)などでの小脳障害の異常出現率が半数以上であったこと,断酒後3年以内の症例では異常出現率が初回とほとんど変わらないか,やや減少していることが報告されている1,2)。しかし,断酒後3年以上の長期経過については明らかとなっていない。
そこで今回われわれは,29歳時にアルコール性小脳失調症と診断され,それ以降断酒し,現在まで38年間経過観察を行っている症例について報告する。
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