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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻2号

2022年02月発行

原著

対側眼窩先端症候群をきたした頭蓋底骨髄炎の1例

著者: 熊田純子1 中屋宗雄1 伊東明子1 稲吉康比呂1 井上亜希2 木田渉13

所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2三井記念病院耳鼻咽喉科 3中村橋耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲:P.188 - P.192

文献概要

はじめに

 1968年にChandler1)は,悪性外耳道炎から頭蓋底へ炎症が波及した17例を頭蓋底骨髄炎(skull base osteomyelitis:SBO)として報告している。SBOは,頻度は稀だが一度発症すると脳神経麻痺,髄膜炎,静脈洞血栓症を伴い,致死的な経過をたどる場合もあるため注意すべき疾患である。しかし,明確な診断基準や確立した治療法がないため,方針決定に難渋することも少なくない。今回われわれは,悪性外耳道炎の治療後にSBOを起こし,さらに対側の眼窩先端症候群を発症した1例を経験したので文献的考察を加え報告する。

参考文献

1)Chandler JR:Malignant external otitis. Laryngoscope 78:1257-1294, 1968
2)岩波弘明・他:ANCA関連血管炎にともなって眼窩先端症候群を呈した1例.臨神経54:158-161,2014
3)橋本 侑:片則の多発脳神経障害と多発脳梗塞を呈し外耳道からの炎症波及を疑った非典型頭蓋底骨髄炎の1例.臨神経59:205-210,2019
4)Singh A, et al:Skull base osteomyelitis:diagnostic and therapeutic challenges in atypical presentation. Otolaryngol Head Neck Surg 133:121-125, 2005
5)植木雄志・他:頭蓋底骨髄炎5症例の検討.日耳鼻118:40-45,2015
6)田中志昴・他:悪性外耳道炎,頭蓋底骨髄炎の臨床的検討—本邦における50症例の検討.耳展59:177-183,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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