文献詳細
原著
対側眼窩先端症候群をきたした頭蓋底骨髄炎の1例
著者: 熊田純子1 中屋宗雄1 伊東明子1 稲吉康比呂1 井上亜希2 木田渉13
所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2三井記念病院耳鼻咽喉科 3中村橋耳鼻咽喉科クリニック
ページ範囲:P.188 - P.192
文献概要
1968年にChandler1)は,悪性外耳道炎から頭蓋底へ炎症が波及した17例を頭蓋底骨髄炎(skull base osteomyelitis:SBO)として報告している。SBOは,頻度は稀だが一度発症すると脳神経麻痺,髄膜炎,静脈洞血栓症を伴い,致死的な経過をたどる場合もあるため注意すべき疾患である。しかし,明確な診断基準や確立した治療法がないため,方針決定に難渋することも少なくない。今回われわれは,悪性外耳道炎の治療後にSBOを起こし,さらに対側の眼窩先端症候群を発症した1例を経験したので文献的考察を加え報告する。
参考文献
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