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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻2号

2022年02月発行

原著

ボタン型アルカリ電池による幼児の鼻腔異物症例

著者: 加藤照幸1 荒井真木1 大山和可子2

所属機関: 1浜松医療センター耳鼻いんこう科 2静岡済生会総合病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.193 - P.196

文献概要

はじめに

 幼児は手に持ったものを鼻腔内や外耳道内に押し込み,異物にしてしまう可能性がある。また口のなかに入れると誤嚥・誤飲してしまうことがある。近年,電化製品の小型化に伴い小型のボタン型アルカリ電池が普及した。ボタン型アルカリ電池が異物となった場合,粘膜組織障害を引き起こすことが報告されている1,2)。誤嚥・誤飲をした症例が多く報告されている3)が,鼻腔異物となり鼻粘膜損傷をきたした報告例は少ない1〜3)。今回われわれは,鼻中隔穿孔と鼻粘膜損傷をきたしたボタン型アルカリ電池による幼児の鼻腔異物症例を経験したので報告する。

参考文献

1)若山仁久・他:当科における小児の鼻腔異物281症例の検討.耳展54:19-23,2011
2)上村恵理・他:当ER型救命救急センターにおける小児鼻腔異物の検討.日臨救急医会誌23:110-114,2020
3)大野美喜子・他:ボタン電池の危険性と科学的根拠に基づく教育プログラムの検証.日家政会誌67:23-27,2016
4)川目諶太郎・他:鼻腔異物(ボタン型アルカリ電池)の1症例—その組織障害に関する考察.耳展39:273-277,1996
5)山口宗太・他:ボタン型リチウム電池による鼻腔異物の1例—ボタン電池の危険性.小児耳31:7-11,2010
6)佐藤洋子・他:ボタン型アルカリ電池の鼻腔異物の3症例.日耳鼻88:920-925,1985
7)大平真也・他:当科における全身麻酔下異物摘出症例の検討—成人例を中心に.耳展61:310-317,2018
8)重田芙由子・他:鼻中隔穿孔をきたした小児のボタン型アルカリ電池異物例.耳鼻臨床101:679-683,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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