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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻3号

2022年03月発行

文献概要

原著

両側高度感音難聴・平衡機能障害をきたした髄膜癌腫症の1例

著者: 木田渉12 中屋宗雄1 稲吉康比呂1 伊東明子1 熊田純子1

所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2中村橋耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲:P.283 - P.286

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はじめに

 髄膜癌腫症は,悪性腫瘍が播種性に髄膜に移行・増殖する病態で,多彩な神経症状を呈することが知られている。また進行が早く,予後はきわめて不良である。髄膜癌腫症では種々の脳神経麻痺が出現するが,両側の聴覚障害をきたすことは比較的稀である。今回われわれは,髄膜癌腫症により比較的早い経過で両側感音難聴・平衡機能障害が進行した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。

参考文献

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3)上塚 学・他:感音難聴発症後に顔面神経麻痺を呈した髄膜癌腫症の2例.Facial Nerv Res 31:120-122,2011
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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