耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻5号

2022年04月発行

増刊号 結果の読み方がよくわかる！　耳鼻咽喉科検査ガイド

Ⅰ．聴覚検査

補聴器適合検査

著者： 柘植勇人¹

所属機関： ¹日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.61 - P.67

文献概要

POINT

◆補聴器のフィッティングが順調でない場合や適合しない場合には，適合検査のデータをもとに，医療従事者（補聴器相談医，言語聴覚士）と認定補聴器技能者でその理由をディスカッションする価値は高い．

◆補聴器外来を持たない補聴器相談医の施設では，認定補聴器専門店に在籍する認定補聴器技能者と連携することで，適合に必要な測定データを手に入れることができる．補聴器に満足していない症例については認定補聴器技能者とディスカッションをお願いしたい．

◆補聴器のフィッティング不良で補聴器を断念する難聴者は多い．補聴器相談医はそこに介入する価値があり，不適合時のディスカッションに役立つ情報を提供する．

参考文献

1）医科診療報酬点数表 令和2年4月版 第41版．社会保険研究所，東京，2020

2）日本聴覚医学会：補聴器適合検査の指針（2010）．Audiology Japan 53：708-726，2010

3）亀井昌代：補聴器適合検査の実際．耳喉頭頸92：52-57，2020

4）西村忠己：補聴器適合検査．耳喉頭頸89：80-87，2017

5）上野真史・他：補聴器適合検査—実耳測定と雑音下での語音明瞭度の測定の臨床応用法．耳喉頭頸93：321-325，2021

6）小寺一興：補聴器のフィッティングと適用の考え方．診断と治療社，東京，2017．

7）柘植勇人・他：耳鳴補聴から難聴者の補聴器フィッティングへの活用—装用途中の「聴覚過敏の壁」対策と補聴の効率化．Audiology Japan 61：428，2018

8）柘植勇人：補聴器の最新情報．耳喉頭頸92：8-13，2020

9）柘植勇人・他：軽中等度難聴に対する補聴フィッティング．Audiology Japan 64：351，2021