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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻5号

2022年04月発行

増刊号 結果の読み方がよくわかる! 耳鼻咽喉科検査ガイド

Ⅲ.顔面神経検査

神経興奮性検査(NET)/アブミ骨筋反射

著者: 萩森伸一1

所属機関: 1大阪医科薬科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.126 - P.131

文献概要

POINT

【神経興奮性検査】

◆顔面神経を経皮的に電気刺激し,表情筋に収縮がみられる最小の電流量を左右で比較する検査である.

◆予後は患側と健側の電流量差が3.5mA以下であれば良好,3.5mAより大きいと不良と判定する.

◆electroneurographyと異なり神経変性の割合は数値化できず,後遺症出現の予測は困難である.

【アブミ骨筋反射】

◆顔面神経麻痺側のアブミ骨筋反射が消失しない例は予後良好といえる.

◆ただし,側頭骨外腫瘍性病変を除外しなければならない.

◆アブミ骨筋反射消失が必ずしも予後不良を示唆するわけではない.

◆アブミ骨筋反射では後遺症出現の予測はできない.

参考文献

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12)原 晃:非穿孔鼓膜耳の中耳機能検査.耳鼻臨床96:191-196,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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