文献詳細
特集 この1冊ですべてがわかる 頭頸部がんの支持療法と緩和ケア
《症状別支持療法》
文献概要
POINT
●頭頸部がん患者では,飲酒歴のある人が多いため,せん妄のハイリスクに相当する患者の率が高く,他の領域のがんに比べてせん妄が出現しやすい。
●せん妄の治療は,原因を同定し改善することが根本である。原因が改善しないのに対症療法的薬剤だけでせん妄を治せるわけではないことに注意する。
●多量飲酒を長期間続けてきた患者が突然禁酒ないし減酒すると,アルコール離脱せん妄が生じる場合がある。
●頭頸部がんでは,手術侵襲により声を失ったり,会話や摂食に苦労したり,容貌が変化するなど,心的ストレスが強くなる場合も少なくなく,これらに起因する適応障害やうつ病にも注意する。
●頭頸部がん患者では,飲酒歴のある人が多いため,せん妄のハイリスクに相当する患者の率が高く,他の領域のがんに比べてせん妄が出現しやすい。
●せん妄の治療は,原因を同定し改善することが根本である。原因が改善しないのに対症療法的薬剤だけでせん妄を治せるわけではないことに注意する。
●多量飲酒を長期間続けてきた患者が突然禁酒ないし減酒すると,アルコール離脱せん妄が生じる場合がある。
●頭頸部がんでは,手術侵襲により声を失ったり,会話や摂食に苦労したり,容貌が変化するなど,心的ストレスが強くなる場合も少なくなく,これらに起因する適応障害やうつ病にも注意する。
参考文献
1)Mitchell AJ, et al:Prevalence of depression, anxiety, and adjustment disorder in oncological, haematological, and palliative-care settings:a meta-analysis of 94 interview-based studies. Lancet Oncol 12:160-174, 2011
2)和田 信・他:精神腫瘍学(サイコオンコロジー).日本がん治療認定医機構教育委員会(編):がん治療認定医教育セミナーテキスト 第15版,2021,pp97-104
3)American Psychiatric Association(原著),高橋三郎・他(監訳):DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,東京,2014
4)日本サイコオンコロジー学会・他(編):がん患者におけるせん妄ガイドライン 2019年版.金原出版,東京,2019
5)Watson M, et al(eds):Management of clinical depression and anxiety. Oxford University Press, New York, 2017
6)Yamauchi T, et al:Death by suicide and other externally caused injuries following a cancer diagnosis:the Japan Public Health Center-based Prospective Study. Psychooncology 23:1034-1041, 2014
7)国立がん研究センター(編):がん医療における自殺対策の手引き(2019年度版) https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/icsppc/020/ganiryou.pdf[last accessed 2022/5/9]
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9)内富庸介・他:がん医療におけるコミュニケーション・スキル—悪い知らせをどう伝えるか.医学書院,東京,2007
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