icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科94巻7号

2022年06月発行

文献概要

原著

動眼神経単独麻痺をきたした蝶形骨洞囊胞の1例

著者: 福家智仁1 山田弘之1 金児真美佳1 小林大介1 平田智也1

所属機関: 1伊勢赤十字病院頭頸部・耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.581 - P.585

文献購入ページに移動
はじめに

 副鼻腔囊胞のなかで蝶形骨洞囊胞は比較的稀な病態であるが,解剖学的特徴から視力障害などの視器症状を呈する頻度が高い。これら視器症状のうち,視神経症状を呈することなく,動眼神経麻痺のみを認める症例はきわめて稀である。今回われわれは,複視,眼瞼下垂を発症し,蝶形骨洞囊胞による動眼神経単独麻痺を呈し,囊胞開放術を行った症例を経験したので報告する。

参考文献

1)藤森正登・他:当教室における副鼻腔囊胞の検討.耳鼻38:247-251,1992
2)Evans C:Aetiology and treatment of fronto-ethmoidal mucocele. J Laryngol Otol 95:361-375, 1981
3)山内盛雄・他:蝶形骨洞囊胞—本邦における病像の特異性について.耳鼻臨床73:811-821,1980
4)山岡俊哉・他:動眼神経麻痺を呈した原発性蝶形骨洞囊胞の1症例.大阪警察病医誌17:139-142,1993
5)笹森史朗・他:動眼神経麻痺を主症状とした後部副鼻腔囊胞の1症例.耳喉頭頸65:391-394,1993
6)片山昭公・他:動眼神経麻痺を呈した蝶形骨洞囊胞.耳鼻臨床92:733-737,1999
7)原 稔・他:副鼻腔疾患による動眼神経麻痺3例.耳鼻臨床99:555-559,2006
8)岡本朋代・他:蝶形骨洞囊胞による動眼神経麻痺で発症6ヵ月後に手術にて改善のみられた1例.耳鼻臨床104:331-334,2011
9)橘 智靖・他:動眼神経麻痺を呈した蝶形骨洞囊胞の1例.耳喉頭頸83:583-587,2011
10)前原宏基・他:動眼神経麻痺を呈した蝶形骨洞囊胞の1例.耳鼻64:94-100,2018
11)菱村祐介・他:動眼神経単独麻痺をきたした蝶形骨洞囊胞例.耳鼻臨床112:505-510,2019
12)石神瑛亮・他:術後性蝶形骨洞囊胞による動眼神経麻痺例.日鼻誌59:13-18,2020
13)Norman PS, et al:Mucocele of the sphenoid sinus. Report of a case. Arch Otolaryngol 79:646-652, 1964
14)春日井 滋・他:動眼神経不全麻痺を呈した蝶形骨洞炎.耳鼻臨床102:939-943,2009
15)Netter FH(著),相磯貞和(訳):ネッター解剖学アトラス 原書第4版.南江堂,東京,2007
16)飯村慈朗・他:視器障害を伴う後部副鼻腔囊胞の臨床的検討.耳展50:404-409,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?