文献詳細
原著
ダブルルーメンチューブによる声門下狭窄の1例
著者: 中角美穂1 太田伸男2 舘田豊2 野口直哉2 山崎宗治2 鈴木貴博2 東海林史2 伊藤洋介3 長屋慶3 田畑俊治4
所属機関: 1東北大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 2東北医科薬科大学病院耳鼻咽喉科 3東北医科薬科大学病院麻酔科 4東北医科薬科大学病院呼吸器外科
ページ範囲:P.591 - P.596
文献概要
声門下狭窄は炎症,長期挿管,気管切開後のカニューレ不適合,外傷など,種々の疾患に伴う一つの病態である。症例ごとにその成因や経過は異なり,さまざまな臨床像を呈するため,それぞれの病態に合った対応が必要とされる。しかし,周術期に発生すると致死的であり,迅速な診断と対応が求められ,耳鼻咽喉科医にとっても十分な理解を深める必要がある。
近年,肺癌の増加と,呼吸器外科領域での気管支鏡による手術適応の拡大により,気管挿管時に分離肺換気を行うダブルルーメンチューブ(double-lumen tube:DLT)が広く用いられている。今回,70歳の女性に対するダブルルーメンチューブを使用した肺癌術後2日目に,声門下狭窄をきたし,さらに肉芽腫性病変による気道の完全閉塞が認められた症例を経験したので,若干の文献的な考察を含めて報告する。
参考文献
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