経外耳道的内視鏡下鼓室形成術におけるイリゲーションシステム一体型カーブバーの使用経験
著者:
吉田尚生
,
平塚康之
,
渡邉佳紀
,
草野純子
,
堀秀成
,
大坂和士
,
安田大志
,
江藤杏奈
,
長田有華
ページ範囲:P.790 - P.795
はじめに
経外耳道的内視鏡下鼓室形成術はkeyhole surgeryである。通常のドリルとバーでは内視鏡に干渉するためカーブバーが用いられるが,従来のカーブバー(conventional curve bar:以下,CCB)はイリゲーションを助手か術者自身が行う必要があり,片手操作で行う本術式では骨削開に煩雑な手技を要した。
2020年12月に日本メドトロニック社より販売されたカーブバー(マイダスレックスTM MR8クリアビューTM)はイリゲーションシステムが一体となっており,削開とイリゲーションを同時に行うことが可能となったが,その有用性はいまだ明らかではない。
今回われわれは,弛緩部型真珠腫新鮮例13耳に対して経外耳道的内視鏡下鼓室形成術および上鼓室開放術を行ったが,そのうち6耳に前述のイリゲーションシステム一体型カーブバー(irrigation system integrated curved bar:以下,IICB)を使用したため,症例を提示するとともに治療経験および有用性について報告する。