耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻1号

2023年01月発行

特集 どこまで読める？ MRI典型所見アトラス

《耳領域》

腫瘍性疾患—顔面神経鞘腫・聴神経腫瘍／外耳道がん／グロームス腫瘍／コレステリン肉芽腫

著者： 濵田昌史¹

所属機関： ¹東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲：P.12 - P.16

文献概要

POINT

●前庭神経／顔面神経鞘腫はガトリニウム造影MRIにてよく描出されるが，腫瘍の存在部位に注意を払い鑑別する。

●外耳道がん診療においては，MRIの果たす役割は鑑別診断よりも進展度把握となる。

●グロームス腫瘍の診断においては，その鑑別に加え進展度評価にもMRIは有用である。

●側頭骨内コレステリン肉芽腫はMRI，特にT1強調画像にて先天性真珠腫（類上皮腫：epidermoid）と鑑別できる。

参考文献

1）村上信五・他：聴神経腫瘍．MB ENT 61：113-118，2006

2）山内英臣・他：側頭骨顔面神経鞘腫の画像所見と臨床．耳展60：153-155，2017

3）Arriaga M, et al：Staging proposal for external auditory meatus carcinoma based on preoperative clinical examination and computed tomography findings. Ann Otol Rhinol Laryngol 99：714-721, 1990

4）岸本誠司：側頭骨原発悪性腫瘍—治療方針決定までの効果的な方策．頭頸部外7：57-62，1997

5）尾尻博也：側頭骨良性腫瘍．MB ENT 61：97-105，2006

6）尾尻博也・他：側頭骨コレステリン肉芽の画像所見と臨床．耳展50：192-194，2007