文献詳細
特集 嚥下障害の手術を極める! プロに学ぶコツとトラブルシューティング〔特別付録Web動画〕
《誤嚥防止手術》
文献概要
POINT
●一般に誤嚥防止手術を受ける患者は栄養状態や全身状態が悪化していることが多く,外科治療後の合併症が起こりやすい状態であるうえに,再手術など合併症への治療も重い負担となる。
●誤嚥防止手術はすべての術式で咽頭または喉頭の粘膜縫合を要するが,この部分に誤嚥物(術後は主に唾液)が貯留する構造になっている。
●最も重要な合併症は縫合不全と気管孔狭窄であるが,誤嚥防止手術のうち鹿野らが発表した声門閉鎖術は,これらのリスクを低くできるよう開発された方法である。
●当科ではさらに少しでもリスクを軽減するよう術式を少しずつ改変している。
●一般に誤嚥防止手術を受ける患者は栄養状態や全身状態が悪化していることが多く,外科治療後の合併症が起こりやすい状態であるうえに,再手術など合併症への治療も重い負担となる。
●誤嚥防止手術はすべての術式で咽頭または喉頭の粘膜縫合を要するが,この部分に誤嚥物(術後は主に唾液)が貯留する構造になっている。
●最も重要な合併症は縫合不全と気管孔狭窄であるが,誤嚥防止手術のうち鹿野らが発表した声門閉鎖術は,これらのリスクを低くできるよう開発された方法である。
●当科ではさらに少しでもリスクを軽減するよう術式を少しずつ改変している。
参考文献
1)Smith AC, et al:Laryngectomy in the management of severe dysphagia in non-malignant conditions. Lancet 2:1094-1096, 1965
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6)Kawamoto A, et al:Central-part laryngectomy is a useful and less invasive surgical procedure for resolution of intractable aspiration. Eur Arch Otorhinolaryngol 271:1149-1155, 2014
7)鹿野真人:高度嚥下障害—喉頭気管分離術(声門閉鎖術).耳喉頭頸87:198-205,2015
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9)古川竜也:嚥下障害に対する手術の基本.誤嚥防止術の基本—声門閉鎖術.日耳鼻126:827-831,2023
10)Furukawa T, et al:A laryngeal closure technique for the treatment of patients with head and neck cancer. Laryngoscope Investig Otolaryngol 4:246-249, 2019
11)丸尾貴志・他:舌全摘術後の喉頭挙上術における甲状腺弁による死腔充塡.嚥下医学3:61-66,2014
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