耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻2号

2023年02月発行

特集 アレルギー疾患を広く深く診る

《各種アレルギー疾患の基礎知識》

アレルギー性皮膚疾患—成人アトピー性皮膚炎／接触皮膚炎／蕁麻疹／重症薬疹

著者： 加藤則人¹

所属機関： ¹京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲：P.140 - P.144

文献概要

POINT

●成人アトピー性皮膚炎の治療の基本は，炎症を制御する薬物療法，皮膚バリア機能を補うスキンケア，悪化因子の検索と除去である。

●アレルギー性接触皮膚炎の原因検索には，パッチテストが重要である。

●蕁麻疹の多くは原因不明の特発性で，治療の基本はヒスタミンH₁受容体拮抗薬（抗ヒスタミン薬）を中心とした薬物療法である。

●重症薬疹には，Stevens-Johnson syndrome，中毒性表皮壊死融解症，薬剤性過敏症症候群がある。

参考文献

1）佐伯秀久・他：アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021．アレルギー70：1257-1342，2021

2）高山かおる・他：接触皮膚炎診療ガイドライン2020．日皮会誌130：523-567，2020

3）秀 道広・他：蕁麻疹診療ガイドライン2018．日皮会誌128：2503-2624，2018

4）塩原哲夫・他：重症多形滲出性紅斑 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症診療ガイドライン．日皮会誌126：1637-1685，2016

5）厚生労働省：重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群（平成19年6月）　https://www.pmda.go.jp/files/000146073.pdf（2022年7月7日アクセス）