耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻3号

2023年03月発行

特集 内視鏡所見カラーアトラス—見極めポイントはここだ！

《鼻副鼻腔領域》

鼻副鼻腔（良性腫瘍）—内反性乳頭腫／外反性乳頭腫／海綿状血管腫（静脈奇形）／化膿性肉芽腫（血管性腫瘍）／血瘤腫／血管平滑筋腫

著者： 西池季隆¹

所属機関： ¹大阪ろうさい病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲：P.214 - P.219

文献概要

POINT

●鼻副鼻腔良性腫瘍は，内反性乳頭腫が最も多い。

●鼻副鼻腔腫瘍は内視鏡所見だけでは術前診断が困難な例が多く，確定診断は摘出物の病理診断によってなされる。

●内反性乳頭腫では悪性腫瘍を合併している可能性を考慮したうえで，術前説明を行い，治療計画を立てる必要性がある。

●鼻ポリープや壊死組織の裏に腫瘍が存在し，術中や術後に診断が確定することがある。

参考文献

1）鈴木幹男・他：鼻副鼻腔腫瘍の内視鏡下手術．日耳鼻108：724-733，2005

2）Buchwald C, et al：Inverted papilloma：a follow-up study including primarily unacknowledged cases. Am J Otolaryngol 10：273-281, 1989

3）Hyams VJ：Papillomas of the nasal cavity and paranasal sinuses. A clinicopathological study of 315 cases. Ann Otol Rhinol Laryngol 80：192-206, 1971

4）島村歩美・他：当科における鼻副鼻腔血管性腫瘍及び血管奇形（いわゆる血管腫）の検討．日鼻誌56：639-645，2017

5）蜂巣陽子・他：注目の画像—食道pyogenic granulomaの1例．Gastroenterol Endosc 57：2368-2369，2015

6）高田女里・他：頰部皮下腫瘤として触知された上顎洞血瘤腫の1例．聖マリアンナ医大誌48：123-128，2020

7）八木澤瑞穂・他：鼻腔血瘤腫の1例—上顎洞血瘤腫との組織学的検討．日鼻誌45：142-147，2006

8）Wang CP, et al：Vascular leiomyoma of the head and neck. Laryngoscope 114：661-665, 2004

9）西池季隆・他：若年性鼻咽腔血管線維腫—翼突管への進展の評価．日耳鼻115：965-970，2012

10）下野真紗美・他：鼻副鼻腔に発生した神経鞘腫の2例．日鼻誌60：553-558，2021