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原著
重粒子線治療後の鼻腔腺様囊胞癌の局所再発例
著者: 橘智靖1 和仁洋治2 小松原靖聡1 黒田一範1 假谷彰文1 直井勇人3 安藤瑞生3
所属機関: 1姫路赤十字病院耳鼻咽喉科 2姫路赤十字病院臨床検査科 3岡山大学学術研究院医歯薬学域耳鼻咽喉・頭頸部外科学
ページ範囲:P.249 - P.253
文献購入ページに移動頭頸部腺様囊胞癌は切除可能と判断された場合,標準的治療は外科的切除および術後放射線照射と考えられている1)。しかし,頭頸部腫瘍の治療においては,機能や整容性の温存も重要な治療決定の要素となる2)。本邦では,2003年より頭頸部悪性腫瘍に対して高度先進医療および先進医療として行われてきた重粒子線治療が2018年4月より保険収載され,頭頸部腺様囊胞癌においても治療の選択肢の1つとなった2)。頭頸部領域の腺様囊胞癌に対する重粒子線治療の成績は近年報告されつつあるが,長期的に経過をみた報告は少ない3,4)。今回われわれは,鼻腔腺様囊胞癌に対して重粒子線治療後,10年以上経過して局所再発を認めた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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