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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻3号

2023年03月発行

文献概要

原著

入院前庭リハビリテーションを施行した慢性めまい43例の治療結果と6か月後のDHI改善を予測する重心動揺パラメーターの検討

著者: 新井基洋1 木賀恵子1 筒須美江1

所属機関: 1横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科

ページ範囲:P.261 - P.266

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はじめに

 2015年のコクランレビュー1)では,前庭リハビリテーション(以下,前庭リハ)2)は慢性期一側前庭障害患者においてdizziness handicap invetory(DHI)3)の値など自覚的なめまいを改善させるエビデンスがあり,安全で効果的と報告している。2021年には日本めまい平衡医学会で約30年ぶりに前庭リハ/平衡訓練の基準が見直された4)。そこで,抗めまい薬を使用せず,入院前庭リハをめまい治療として施行し,退院後も6か月間継続のうえ外来で経過観察した43例の治療結果について報告する。めまい症状はDHIを中心に観察し,精神症状結果も検討した。併せて,初診時の重心動揺検査パラメーターで6か月後のDHIの改善を予測できる項目について検討した。本研究は横浜市立みなと赤十字病院医療倫理委員会承認番号2021-22を得ている。

参考文献

1)McDonnell MN, et al:Vestibular rehabilitation for unilateral peripheral vestibular dysfunction. Cochrane Database Syst Rev 1:CD005397, 2015
2)徳増厚二:めまいのリハビリテーション.JOHNS 17:825-829,2001
3)増田圭奈子・他:めまいの問診表(和訳Dizziness Handicap Inventory)の有用性の検討.Equilibrium Res 63:555-563,2004
4)平衡訓練の基準の改訂ワーキンググループ:平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準—2021年改訂.Equilibrium Res 80:591-599,2021
5)新井基洋:フレイルを合併した難治性めまい患者におけるめまいリハビリテーションと漢方併用療法の効果.耳喉頭頸92:89-98,2020
6)新井基洋:難治性めまいに対するめまい集団リハビリテーションと漢方製剤の併用療法(第7報)—フレイル治療の必要性と人参養栄湯の効果について.漢方と最新治療28:393-402,2019
7)新井基洋・他:めまい集団リハビリテーションの治療成績(第1報)—身体機能検査と心理学的検査を用いて.Equilibrium Res 69:225-235,2010
8)今岡 薫・他:重心動揺検査における健常者データの集計.Equilibrium Res 56(Suppl 12):1-84,1997
9)山本昌彦・他:重心動揺検査.アニマ,2020,pp2-29
10)福原俊一・他:健康関連QOL尺度—SF-8とSF-36.医の歩み213:133-136,2005
11)福田一彦・他:自己評価式抑うつ性尺度の研究.精神誌75:673-679,1973
12)Morley JE, et al:Frailty consensus:a call to action. J Am Med Dir Assoc 14:392-397, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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