icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻5号

2023年04月発行

増刊号 豊富な処方例でポイント解説! 耳鼻咽喉科・頭頸部外科処方マニュアル

6 唾液腺の感染症/炎症

急性化膿性唾液腺炎/反復性唾液腺炎

著者: 八木正夫1

所属機関: 1関西医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座

ページ範囲:P.122 - P.125

文献概要

処方のポイント

●急性化膿性唾液腺炎は,シェーグレン症候群や唾石に併発するものを除けば,多くは脱水や衰弱を契機として発症する.特に高齢の術後患者などに多く,治療の基本は補液と静注抗菌薬投与である.

●急性化膿性唾液腺炎に対する治療薬については,明確なエビデンスはないが,黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などを原因菌と想定し,ペニシリン系抗菌薬が第一選択と考える.

●長期入院患者や抗菌薬投与中,あるいは投与直後の患者では,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)を想定した抗菌薬を考慮する.

●小児反復性耳下腺炎もエビデンスレベルの高い治療法がないため,口腔内常在菌である連鎖球菌を想定し,必要に応じてペニシリン系抗菌薬を投与する.

参考文献

1)Brook I:J Craniofac Surg 14:37-40, 2003
2)Tan VE, et al:J Laryngol Otol 121:872-879, 2007
3)工藤典代・他:小児耳19:50-54,1998
4)Wu S, et al:Acta Otoloaryngol 138:112-1116, 2018
5)Garavello W, et al:Int J Pediatr Otorhinolaryngol 112:151-157, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら