耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻5号

2023年04月発行

増刊号 豊富な処方例でポイント解説！　耳鼻咽喉科・頭頸部外科処方マニュアル

16　がん治療の副作用・疼痛緩和

白金製剤による消化器毒性

著者： 横田知哉¹

所属機関： ¹静岡県立静岡がんセンター消化器内科

ページ範囲：P.333 - P.336

文献概要

処方のポイント

●制吐薬の選択は，予定する抗がん薬の催吐性リスク，過去の制吐療法の効果，悪心・嘔吐の発現時期，患者背景因子や合併症を考慮して決定する．

●頭頸部がん領域で頻用されるシスプラチンは高度催吐性リスクがあるため，5-HT₃受容体拮抗薬，NK₁受容体拮抗薬，ステロイド薬，抗精神病薬などの複数の制吐薬を組み合わせた予防的投与を積極的に行う．

参考文献

1）Berger MJ, et al：J Natl Compr Canc Netw 15：883-893, 2017

2）MASCC：Antiemetic Guidelines　https://mascc.org/study-groups/antiemetics（2022年12月参照）

3）Hesketh PJ, et al：J Clin Oncol 35：3240-3261, 2017

4）Hashimoto H, et al：Lancet Oncol 21：242-249, 2020

5）Hata A, et al：J Clin Oncol 40：180-188, 2022