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特集 神経の扱い方をマスターする—術中の確実な温存と再建 《手術での取り扱い》
耳下腺手術での顔面神経の取り扱い
著者: 東野正明1
所属機関: 1大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
ページ範囲:P.402 - P.406
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●術前に穿刺吸引細胞診や画像で悪性が疑われた場合,顔面神経の処理方法を患者や家族に十分にインフォームド・コンセントしておくことが重要である。
●画像上の腫瘍の位置や大きさから,腫瘍と顔面神経との位置関係を想定し,適切な顔面神経へのアプローチ方法を術前に検討しておく。
●術中神経モニタリングは,筋弛緩モニターを確認し,十分に筋弛緩薬の効果が切れていることを確認する。
●術中迅速病理診断を活用し,高悪性が疑われるときには躊躇せず顔面神経の合併切除も考慮し,その際は顔面神経の即時再建を行う。
●術前に穿刺吸引細胞診や画像で悪性が疑われた場合,顔面神経の処理方法を患者や家族に十分にインフォームド・コンセントしておくことが重要である。
●画像上の腫瘍の位置や大きさから,腫瘍と顔面神経との位置関係を想定し,適切な顔面神経へのアプローチ方法を術前に検討しておく。
●術中神経モニタリングは,筋弛緩モニターを確認し,十分に筋弛緩薬の効果が切れていることを確認する。
●術中迅速病理診断を活用し,高悪性が疑われるときには躊躇せず顔面神経の合併切除も考慮し,その際は顔面神経の即時再建を行う。
参考文献
1)東野正明・他:耳下腺腫瘍:顔面神経の同定と保護—主幹からの同定法.口咽科29:153-155,2016
2)Kinoshita I, et al:Effectiveness of intraoperative facial nerve monitoring and risk factors related to postoperative facial nerve paralysis in patients with benign tumors:A 20-year study with 902 patients. Auris Nasus Larynx 48:361-367, 2021
3)東野正明・他:耳下腺手術におけるTOFモニターの有用性.Facial Nerv Res 42(印刷中)
4)Davis RA, et al:Surgical anatomy of the facial nerve and parotid gland based upon a study of 350 cervicofacial halves. Surg Gynecol Obstet 102:385-412, 1956
5)Dingman RO, et al:Surgical anatomy of the mandibular ramus of the facial nerve based on the dissection of 100 facial halves. Plast Reconstr Surg Transplant Bull 29:266-272, 1962
6)多田 薫・他:腓腹神経の採取に伴う下肢の愁訴に関する調査.日手会誌36:290-294,2019
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