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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻6号

2023年05月発行

特集 神経の扱い方をマスターする—術中の確実な温存と再建

《手術での取り扱い》

中耳手術での鼓索神経の取り扱い

著者: 三代康雄1

所属機関: 1大阪市立総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲:P.412 - P.417

文献概要

POINT

●鼓索神経を損傷しやすい場面は,①鼓膜輪挙上時,②ツチ骨頭切断時,③後鼓室開放時,④段階的鼓室形成術時などであり,それぞれの状況での損傷予防のコツを提示した。

●鼓索神経損傷時には端々吻合や,筋膜で覆うなどして神経再生を図るべきである。

●鼓索神経損傷を恐れるあまり,真珠腫摘出が不十分になってはならず,症例によっては鼓索神経切断を選択する。

●味覚を職業にする患者に対しては,十分なインフォームド・コンセント,鼓索神経を触らない術式の選択,手術以外の選択肢などが必要である。

参考文献

1)阪上雅史:耳鼻咽喉科手術侵襲と味覚障害.脳21 9:211-216,2006
2)星野ナギサ:ヒト鼓索神経の鼓室内走行について.耳鼻臨床89:1507-1519,1996
3)植田広海:アブミ骨手術時の副損傷および合併症の予防と対応.日耳鼻124:183-186,2021
4)三代康雄:鼓室形成術に愛用する手術器具—鋭ピック・鈍ピックとスーパーマイクロ鉗子.JOHNS 30:1795-1797,2014
5)氷見徹夫:Posterior hypotympanotomyの解剖.耳鼻臨床94:664-665,2001
6)村上信五:段階的鼓室形成術における鼓索神経温存—How I Do It.Otol Jpn 32:289-291,2022
7)Nishimura R, et al:Change in chorda tympani nerve function after two-stage tympanoplasty for cholesteatoma. Laryngoscope Investing Otolaryngol 7:2035-2042,2022
8)齋藤武久:味覚の再生医療—鼓索神経の再生.医のあゆみ226:996-1000,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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