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特集 真菌症—知っておきたい診療のポイント 《各種真菌症の病態・診断・治療》
浸潤性副鼻腔真菌症
著者: 佐々木崇暢1
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.608 - P.612
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●高齢化が進む本邦では,浸潤性副鼻腔真菌症の診療機会が増加している。
●浸潤性副鼻腔真菌症の診断は,患者背景,症状,検査所見から総合的に判断する必要がある。
●拡大手術が治療の第一選択だが,内視鏡下鼻副鼻腔手術・抗真菌薬の全身投与・免疫低下状態の是正により病勢のコントロールが可能となる。
●非手術例は予後不良因子であり,早期診断・治療のために可及的速やかな手術療法が推奨される。
●高齢化が進む本邦では,浸潤性副鼻腔真菌症の診療機会が増加している。
●浸潤性副鼻腔真菌症の診断は,患者背景,症状,検査所見から総合的に判断する必要がある。
●拡大手術が治療の第一選択だが,内視鏡下鼻副鼻腔手術・抗真菌薬の全身投与・免疫低下状態の是正により病勢のコントロールが可能となる。
●非手術例は予後不良因子であり,早期診断・治療のために可及的速やかな手術療法が推奨される。
参考文献
1)深在性真菌症のガイドライン作成委員会(編):深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014.協和企画,東京,2014,pp42-43
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9)Groppo ER, et al:Computed tomography and magnetic resonance imaging characteristics of acute invasive fungal sinusitis. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 137:1005-1010, 2011
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