耳鼻咽喉科・頭頸部外科95巻8号

2023年07月発行

原著

溶接火花による耳管鉄粉異物の1例

著者： 林和広¹ 相澤寛志¹ 佐藤公輝¹

所属機関： ¹市立旭川病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ページ範囲：P.657 - P.660

文献概要

はじめに

　溶接作業中に火花が外耳道を経由して鼓膜に損傷を与えることが報告されている^1）。しかし，飛来した火花が金属異物として中耳腔や耳管内に停滞することはきわめて稀である。今回われわれは，溶接火花による耳管鉄粉異物の1例を経験したので報告する。

参考文献

1）岡部陽三・他：溶接火花による中耳異物例．耳鼻臨床86：195-197，1993

2）石島 健・他：溶接火花による中耳異物例．耳鼻臨床87：891-894，1994

3）渡邊健一・他：多彩な症状を呈した中耳鉄粉異物の1例．耳鼻48：309-312，2002

4）藤本千里・他：溶接火花による中耳異物症例．Otol Jpn 15：249-252，2005

5）柏木隆志・他：中耳の鉄粉異物3症例の検討．耳展58：31-36，2015

6）Robertson MW, et al：Welding injury to the ear：looking beyond the perforation. J Otolaryngol Head Neck Surg 40：E15-E18, 2011

7）Purnell PR, et al：Eustachian tube foreign body with endoscopic-assisted surgical removal. Case Rep Otolaryngol 2019：5236429, 2019