文献詳細
文献概要
特集 小児の耳鼻咽喉・頭頸部手術—保護者への説明のコツから術中・術後の注意点まで〔特別付録Web動画〕 《咽頭・喉頭・頸部領域手術》
気管切開術/喉頭気管分離術/喉頭気管再建術
著者: 守本倫子1
所属機関: 1国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.720 - P.725
文献購入ページに移動POINT
●小児の気管切開術は児の病態や予後,および施設での管理の熟練度を総合的に判断して手術時期や手術方法を検討すべきである。
●喉頭気管分離術は,児の医学的予後について説明し,メリットとデメリットの双方を養育者が理解したうえで行われるべきである。
●喉頭気管再建術は,狭窄の程度や長さにより再狭窄したり,カニューレ抜去につながらなかったりする可能性もあり,年少児よりは成長してからのほうがうまくいく可能性は高い。児の成長発達と就園・就学などの社会的事情を鑑みて治療方針や治療時期を検討する必要がある。
●小児の気管切開術は児の病態や予後,および施設での管理の熟練度を総合的に判断して手術時期や手術方法を検討すべきである。
●喉頭気管分離術は,児の医学的予後について説明し,メリットとデメリットの双方を養育者が理解したうえで行われるべきである。
●喉頭気管再建術は,狭窄の程度や長さにより再狭窄したり,カニューレ抜去につながらなかったりする可能性もあり,年少児よりは成長してからのほうがうまくいく可能性は高い。児の成長発達と就園・就学などの社会的事情を鑑みて治療方針や治療時期を検討する必要がある。
参考文献
1)Singh A, et al:Pediatric tracheostomy. In:StatPearls[Internet]. Treasure Island(FL):StatPearls Publishing;2023 Jan
2)Fuller C, et al:Update on pediatric tracheostomy:indication, technique, education, and decannulation. Curr Otorhinolaryngol Rep 9:188-199, 2021
3)Lindeman RC:Diverting the paralysed pharynx:a reversible procedure for intractable aspiration. Laryngoscope 85:157-180, 1975
4)岡崎 伸:小児神経疾患における呼吸障害の管理.脳と発達52:165-170,2020
5)Yarington CT, et al:Clinical experience with the tracheoesophageal anastomosis for intractable aspiration. Ann Otol Rhinol Laryngol 85:609-612, 1976
6)Ninomiya H, et al:Simple and new surgical procedure for laryngotracheal separation in pediatrics. Laryngoscope 118:958-961, 2008
7)佐野信行・他:重症心身障害児に対する誤嚥防止手術の比較—喉頭気管分離術に対する鹿野式声門閉鎖術の優位性.いわき市医療セ医報41:9-14,2020
8)Myer CM 3rd, et al:Proposed grading system for subglottic stenosis based on endotracheal tube sizes. Ann Otol Rhinol Laryngol 103:319-323, 1994
9)守本倫子:小児の気道狭窄の外科治療.喉頭34:1-6,2022
掲載誌情報