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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科96巻1号

2024年01月発行

文献概要

特集 伝音難聴を克服する 一歩進んだ診断と手術・人工聴覚器の適応の見極め 《一歩進んだ診断のために》

純音聴力検査におけるマスキング困難例への対応

著者: 村山陽子1 樫尾明憲2

所属機関: 1亀田総合病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 2東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

ページ範囲:P.11 - P.16

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POINT

●骨導閾値の測定には一般にマスキングが必須である。マスキングを行わずに測定すると,良聴耳の骨導閾値が得られる。

●検耳の気導閾値が,非検耳の骨導閾値と両耳間移行減衰量の和よりも大きい場合に,非検耳による陰影聴取の可能性を考え,マスキングが必要となる。

●オージオグラムをみてマスキングレベル(遮蔽量)の妥当性を評価するための事後検証法を紹介する。

●伝音難聴耳へのマスキングは困難となる。特に,どちらかの耳に最大の伝音難聴〔気骨導差(A-B gap)=両耳間移行減衰量(IA)〕がある場合,左右別の骨導聴力の測定は不可能となる。

●マスキングによる閾値決定ができない場合の対応の工夫を紹介する。

参考文献

1)松本 希:聴力検査の落とし穴—遮蔽不足により急性伝音性難聴と診断された突発性難聴症例.耳鼻60:244-248,2014
2)立木 孝;日本聴覚医学会難聴対策委員会:マスキング概説.Audiology Jpn 54:694-695,2011
3)日本聴覚医学会(編),原 晃(監),山岨達也・他(編集委員):聴覚検査の実際,改訂4版.南山堂,東京,2017
4)磯貝 豊:IA法則はどのように説明されてきたか? 日本聴覚医学会編「聴覚検査の実際(南山堂)」の場合.Audiol Jpn 45:44-54,2002
5)馬場俊吉:純音聴力検査.耳喉頭頸75:13-19,2003
6)日本聴覚医学会:日本聴覚医学会聴覚検査法 I.オージオメータによる純音聴力(閾値)レベル測定法(2008).Audiol Jpn 51:242-249,2008
7)佐野 肇:純音聴力検査とマスキング.耳喉頭頸89:2-7,2017
8)内山唯史・他:骨導雑音法におけるオープン型耳せんの使用と基準レベルの検討.Audiol Jpn 55:223-229,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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