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特集 伝音難聴を克服する 一歩進んだ診断と手術・人工聴覚器の適応の見極め 《一歩進んだ診断のために》
純音聴力検査におけるマスキング困難例への対応
著者: 村山陽子1 樫尾明憲2
所属機関: 1亀田総合病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 2東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
ページ範囲:P.11 - P.16
文献購入ページに移動●骨導閾値の測定には一般にマスキングが必須である。マスキングを行わずに測定すると,良聴耳の骨導閾値が得られる。
●検耳の気導閾値が,非検耳の骨導閾値と両耳間移行減衰量の和よりも大きい場合に,非検耳による陰影聴取の可能性を考え,マスキングが必要となる。
●オージオグラムをみてマスキングレベル(遮蔽量)の妥当性を評価するための事後検証法を紹介する。
●伝音難聴耳へのマスキングは困難となる。特に,どちらかの耳に最大の伝音難聴〔気骨導差(A-B gap)=両耳間移行減衰量(IA)〕がある場合,左右別の骨導聴力の測定は不可能となる。
●マスキングによる閾値決定ができない場合の対応の工夫を紹介する。
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