文献詳細
原著
EBV陽性皮膚粘膜潰瘍との鑑別を要したEBV陽性リンパ増殖性疾患例
著者: 直井勇人1 橘智靖2 小松原靖聡3 黒田一範4 假谷彰文2 佐藤明日香2 安藤瑞生1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学 2姫路赤十字病院耳鼻咽喉科 3岩国医療センター耳鼻いんこう科 4黒田耳鼻咽喉科おのえ医院
ページ範囲:P.876 - P.880
文献概要
エプスタイン・バーウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)陽性皮膚粘膜潰瘍(以下,EBV-MCU)は,皮膚や粘膜に限局性の潰瘍性病変を生じ,組織学的にはReed-Sternberg細胞に類似したEBV陽性の異型B細胞の増殖を特徴とする疾患である1)。免疫組織学的には,異型細胞はCD20陽性・CD30陽性の活性化Bリンパ球の特徴を示すことが多い2)。EBV-MCUは予後良好な疾患であり,再発や増悪を示すことは稀である。今回われわれは,EBV-MCUとして治療されたのち,経過観察中に全身のリンパ節腫脹からEBV陽性リンパ増殖性疾患(EBV-LPD)と診断され不幸な転帰をたどった症例を経験したので報告する。
参考文献
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